健診での胸部レントゲン検査で異常となったら

肺がん・肺腫瘍

胸部レントゲン検査で浸潤陰影や結節陰影や腫瘤影が指摘される時は、肺腫瘍や肺がんの可能性があります。
浸潤陰影は、ぼんやりとした影が指摘されるもので、肺の組織に水が貯留している状態です。肺炎で認められやすいですが、肺がんを見つける手がかりにもなります。
一方、結節陰影は、非結核性抗酸菌症・良性腫瘍・肺真菌症・肺結核などで現れます。悪性なのか良性なのかを判断するには状態の変化に注目することが大切です。「増大」「新出現」と判断された場合には速やかに精密検査を行います。

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慢性閉塞性肺疾患(COPD)・慢性気管支炎・肺気腫

慢性閉塞性肺疾患（COPD）は、主に継続的な喫煙で、肺や気管支の組織が破壊される疾患です。壊された気管支や肺の組織が狭窄するなどの所見が検査で分かります。破壊された組織を元通りにすることは不可能ですが、タバコをやめることでそれ以上の破壊を防げます。破壊が進んでしまうと、普通の呼吸では酸素を体にしっかりと取り込めなくなるため、酸素を常に供給する治療が必要です。

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結核

結核は大きく2つに分類され、結核菌が体内から外に出ないため感染のリスクがない陳旧性肺結核と、感染が拡大するリスクのある活動性肺結核があります。どちらの結核も胸部レントゲン検査で各々の特徴がある影を認めます。結核は今では珍しい疾患という印象がありますが、現代においても毎年1万人以上の患者様が肺結核と診断されています。適切な治療を約6ヶ月間継続すれば、治癒する可能性が十分にあります。速やかに医療機関を受診して感染を拡大させないようにしましょう。

非結核性抗酸菌症

非結核性抗酸菌症の代表的な症状には、体のだるさ・発熱・血が混じった痰・咳などがあります。症状は結核と類似していますが、人同士で感染しないという点が大きく異なります。胸部CT検査やレントゲン検査では、結核か非結核性抗酸菌なのか判別しにくいため、採取した組織や痰を顕微鏡で観察し、菌の種類を確かめることで診断ができます。

サルコイドーシス

サルコイドーシスとは、肉芽腫という炎症が起こる疾患です。どのようなことが原因でサルコイドーシスが発症するのかは明らかになっていません。発症すると全身の色々な部位に肉芽腫ができますが、どの部位にできたかによって様々な症状が出てきます。肺に肉芽腫ができると呼吸苦や咳が生じる場合がある一方で、症状が現れないケースも多数見られます。健康診断などの胸部レントゲン検査で肺門部のリンパ節が腫れているのを指摘され、サルコイドーシスと診断される場合もあります。重症になることは多くはないですが、医療機関での経過観察が望ましいです。