TOPへ

肺炎

肺炎は油断してはいけません

胸痛高齢者の死亡原因で上位を占めている疾患が肺炎で、日本人の死亡原因第5位となっています。肺炎は、軽い症状で済むケースもありますが、重症化した場合は命に関わる事もあります。痰や咳の増悪、息苦しさ、発熱などの症状を感じた際は肺炎のリスクを考慮し、速やかにご来院ください。

肺炎の症状

膿性痰、止まらない咳、発熱などの症状が出現します。症状が重い場合は、血中酸素飽和度の低下や息苦しさを伴います。胸膜まで炎症が及ぶと、痛みと伴うケースがあります。

肺炎の診断

問診や身体診察で肺炎が疑われる場合は、胸部レントゲン検査を実施します。原因となる細菌の種類を同定するために、可能であれば喀痰検査の提出を検討します。血液検査も同時に行い、全身状態・肺以外の内臓の状態・体内の炎症の程度なども確認します。

肺炎の重症度

日本呼吸器学会の成人市中肺炎診療ガイドラインによる重症分類システムのA-DROPが良く使用されます。このような数値も活用した上で治療指針を確定していきます。
下記の5つのチェック項目によって重症度を判断し、入院が必要か、外来での治療が可能かを決めていきます。

  • A(Age 年齢): 女性75歳以上、男性70歳以上
  • D(Dehydration 脱水):脱水またはBUN≧21mg/dl
  • R(Respiration 呼吸状態): SpO2≦90%
  • O(Orientation  見当識): 意識障害あり
  • P(Pressure 血圧): 収縮期血圧≦90mmHg ショック

この5つの項目が1つも当てはまらない場合は、基本的に外来での治療となります。1〜2項目を満たす場合は中等症の肺炎と判断し、入院または外来での治療を行います。3項目を満たす場合は重症と判断し、入院治療を行う必要があります。
入院治療が適しているかどうかの判断は、患者様一人ひとりのバックグラウンド(独居かつ高齢であるケースや、ご家族による介護が難しいケースなど)も重視します。入院を検討する際には、早急に近隣の専門病院へご案内いたします。

肺炎の治療

細菌性肺炎が疑われる場合は抗生物質を使用します。
抗生物質には点滴と経口薬が使えますが、患者様の状態に合わせて投与します。
血中酸素飽和度の低下など、全身状態の悪化が見られた際には早急に救急病院へご案内し、入院治療となります。