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歯周病治療

歯周病の原因

歯周炎は歯の周りに付着するプラーク ( 歯垢とも;主に細菌とその産生物質から成る ) やプラークが石灰化した歯石中の細菌の毒素によって始まった炎症が口の中の条件や全身的な状態によって増悪され、歯周組織の破壊が進行します。

  • 炎症を増悪させる口の中の条件:粘着性の食物、歯列不整、口呼吸、歯肉の退縮、噛み合わせなど
  • 炎症を増悪させる全身の状態:薬剤、栄養、血液疾患や糖尿病のような全身疾患、ストレス、疲労など

このように歯周炎は様々な要因が影響し合って進行します。その治療と予防には口の中のケアはもちろんのこと全身の状態ひいてはライフスタイルまでもが影響してきます。

処置、治療 歯周炎の治療にはこの原因菌の増殖の温床になるプラークを徹底的に除去することが最も重要になります。適正なプラークコントロール (プラークの沈着を防いで口腔内を清潔に保つこと)が得られれば歯肉炎や初期の歯周炎の段階の症状であればほとんど問がなくなりますしかし進行して本来歯石などの付着していない根面まで汚染されている場合はその程度によって麻酔下で根面の清掃を積極的に行うことが必要になります。当然その前には確実なプラークコントロールが確立されていることが前提です。あるいはもっと積極的にお口の中をプラークコントロールのしやすい状態にする処置が必要になることもあります。 丁寧に歯ブラシをすることは歯周炎に対する基本的な対処方法です。プラークコントロールの主体は皆さんご本人のブラッシングがメインです。それに加えて歯科医院サイドで行うスケーリング(除石)も歯面・根面に硬く付着した歯石を除去することによってプラークの沈着を防ぎます 。

細菌学の概念のなかった時代から医学の父といわれるヒポクラテス(BC460~377)は「口の中の病気は災いの元になり、その病気をなくせば全身の健康が回復する。」ということを説いていました。


さて、よく耳にする歯周炎とはどのようなものでしょう。
 この「歯周炎」というのは以前に「歯槽膿漏」といわれていた病気とほとんど同じものです。歯周炎はむし歯と並ぶ口の中の病気の主役で、歯を支えている組織を溶かしていく病気です。化石で人の顎の骨に炎症で骨が吸収した様子をみることができたり、動く歯を押さえるために針金で歯をつないで固定しているような様子がみられます。原因はほとんど炎症、腫れですが、困ったことにこの腫れはじわじわとゆっくり広がるので病気に罹った本人にはなかなか症状が自覚できません。このように歯周炎はヒトと長い間関わってきた病気ですが、本人に自覚できるような症状があるようになると残念ながらこの病気はかなり進行した様相を示す段階に来ていることがほとんどです。ある統計によると20代から60代の成人の80%前後の日本人がこの病気に罹っているといわれています。
 では、腫れ、炎症の原因は何でしょう?それは歯の周りに付着するばい菌が大きな原因です。中でも歯周病原菌といわれるばい菌が歯肉に接して増殖すると歯肉の縁から炎症が起こり始めます。

このようなお悩みはありませんか?

次のような症状が1つでも当てはまる方は、歯周病の可能性があります。歯のクリーニングを受けることやご自身で歯磨きを丁寧に行うことで良くなるケースもあります。

  • 硬いものを噛めない
  • 歯茎から出血することがある
  • 歯茎が下がり、歯が長く見える
  • 口臭がひどくなった
  • 朝の起床時に、口内の粘つきを感じる
  • 歯が浮いたように感じる
  • 歯茎の腫れ
  • 歯のぐらつき
  • 食べ物が歯に詰まりやすい

歯周病は歯を失う可能性があります

歯周病は、歯槽骨や歯茎に炎症が生じることで歯を支えられなくなってしまい、最終的には歯が抜け落ちてしまう疾患です。30代以上のおよそ8割が歯周病にかかっている、または今後かかる可能性が高いと言われています。むし歯のようにしみる、痛いなどの自覚症状が少ないこともあり、気づきにくい疾患です。病状が進行してしまうと歯が抜ける可能性があるため、早期に発見し、適切な治療をすることが非常に重要です。

歯周病の原因

人の口腔内に生息する細菌は、数百種類と考えられています。糖質の過度な摂取や、歯磨きがうまくできていないなどによって口腔内のバランスが崩れると、細菌からプラーク(歯垢)ができます。このプラークは粘着力が強いため、歯の表面に付着してしまいます。プラーク1mg中に細菌は10億も生息していると考えられており、歯周病やむし歯になる原因となります。歯垢は歯ブラシで落とせますが、正しく磨かないと磨き残しが出てしまいます。それによって歯垢が放置されると歯磨きでは除去できない硬い歯石に変わってしまいます。

歯周病

歯周病のリスクを高める要因

  • 骨粗鬆症やホルモンの異常
  • 糖尿病
  • 長期間お薬を服用する
  • ストレス
  • タバコ
  • 太り過ぎ
  • 不規則な食生活
  • 食いしばりや歯ぎしり
  • 合わない被せ物や詰め物

歯周病の進行と治療方法

1健康な歯茎

歯茎は健康な状態の場合、引き締まっていて薄いピンク色をしています。この状態を保ちましょう。

2歯肉炎

歯肉炎は、歯を磨いているときに出血が見られたり、歯茎が赤く腫れたりする状態です。歯医者でのクリーニング(PMTC)で歯石を取り、正しい歯磨きを行うことで改善されます。

3軽度歯周炎

軽度歯周炎は、炎症が歯茎のみに留まらず歯を支えている歯槽骨まで進んでいる状態です。PMTCやスケーリングなどで歯石や歯垢をしっかりと取り除くことによって改善します。

4中等度歯周炎

中等度歯周炎は、歯周ポケットと呼ばれる歯茎と歯の間にある溝が深くなり、歯茎が下がる、歯が揺れるなどの症状が生じます。ルートプレーニングによって歯周ポケットの深くに入り込んだ歯石や歯垢を取り除きます。

5重度歯周炎

重度歯周炎は、歯槽骨の半分以上が溶けてしまう疾患で、ひどい口臭になる、歯茎から膿が溢れるなどの症状が現れ、歯が抜けてしまうこともあります。欠けた歯を補う方法としては、インプラントやブリッジ、入れ歯などがあります。主な治療は、歯周組織再生治療や、歯周ポケットの奥の歯石や歯垢を取り除くために歯茎を切って歯根を直接目で見ながら綺麗にするフラップ手術などがあります。

健康な歯を長く保つために歯周病予防は大切です

予防歯科歯周病は症状が現れにくい疾患であるため、発見された時には既に重症化している場合も多々あります。何度も状態が悪くなってから治療を行っていれば、さらに歯周組織が壊されて、歯が抜ける可能性が高くなってしまいます。こういった事態を避けるため、早い段階で歯周病を見つけ、速やかに治療をすることが非常に重要です。