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間質性肺炎

間質性肺炎について

肺炎医療職以外の方は、間質性肺炎という名称を聞く機会があまりないと思います。総合病院の呼吸器内科には、月々にある程度定まった数の患者様が受診します。細菌によって発症する肺炎とは異なり、体内における自己免疫の働きで肺の細胞に炎症を起こすのが間質性肺炎です。間質性肺炎は最終的に肺の繊維化(硬くなる)を引き起こします。

間質性肺炎の症状

乾いた咳、呼吸のしづらさ(階段昇降や歩いた時などの労作時)といった症状が目立ちます。重症の患者様は、少し動いただけでも血中酸素飽和度(SpO2)が90%以下に下がります。

間質性肺炎の原因

間質性肺炎には様々な原因があります。

  • カビを吸入した時の反応
  • 特発性(原因がはっきりしないもの)
  • 喫煙
  • 膠原病性(リウマチなどの免疫の疾患を発症した際に二次的に生じるもの)
  • 薬剤性(抗がん剤や漢方薬、心臓のお薬などによる副作用として生じるもの) など

間質性肺炎の診断

聴診で特徴的な音を聴取した場合や、胸部レントゲン写真で両側に間質性の陰影を認めた場合、胸部CTで陰影の性状を評価します。血液検査で膠原病や間質性肺炎で上がる数値(SP-D、KL-6)を確認し、問診や身体診察で二次性の要因がないか確認します。具体的には、服薬歴、吸入の機会を含めた職業歴、居住空間やペットの飼育歴、喫煙歴、膠原病を示唆する身体所見がないかなどを確認していきます。
その後、総合病院の呼吸器内科と情報を共有して、診断のために胸部CT検査や肺生検(気管支鏡検査や外科的生検)をする場合もあります。

間質性肺炎の治療

薬剤性が疑われた際は、原因薬剤の中止を検討します。吸入抗原が原因していると疑われる際は、抗原回避が必要になります。呼吸の調子を確認しながらステロイド剤を用いることもあります。体の酸素濃度(SpO2)が下がる場合には、在宅酸素療法を導入します。間質性肺炎の治療は、治療抵抗性のあるものからスムーズに良くなるものまで様々なものがあります。
間質性肺炎は早期発見が大切なため、体を動かした時の息苦しさや咳などの症状がひどくなった方は早急にお問い合わせください。喫煙者は間質性肺炎になりやすい傾向があります。気になる症状がある方はお早めに当院までご相談ください。